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薬局での会話より

1月と2月は一年のうちでも気温が低く、寒さが厳しい時期です。
風邪やインフルエンザ、感染性胃腸炎など、様々な感染症が猛威を振るいます。

先日、薬局でお薬をお渡しする時に「先生に首の下のリンパが腫れていると言われました」とお話をされた患者様がいらっしゃいました。

この時、「リンパ節」で体の免疫システムが病原体と戦っているのですが、
今回は、この「リンパ系」について書いてみたいと思います。

体中を巡っているのは、血管だけではなく、静脈と並行して細く無色透明なリンパ管が走り、その中をリンパ液が流れています。
リンパ液の流れは、骨格筋の収縮などに依存しているのでゆっくりしています。そのためリンパ管には、左右1対からなる弁があり、逆流を防いでいます。

リンパ液は、毛細血管から滲みだした血漿がリンパ管に流れ込んだものなので、約90%は水分で、その他にタンパク、ブドウ糖、白血球、塩類などで構成されています。
細く無色透明なリンパ管が合流する部分をリンパ節といい、大きさは小豆大から空豆大までさまざまです。リンパ節は全身に800個くらいあります。
浅い部分では、耳のまわり、あごの下、首の付け根、わきの下、太ももの付け根の周囲に多く分布しています。

風邪などの感染症にかかった時に、耳の下や首の付け根、わきの下が痛みを伴って腫れることがありますが、これは、まさにリンパ節で、リンパ球などの免疫細胞が病原体を攻撃している最中なのです。
リンパ節は病原体を排除する最後の砦なので、リンパ節で病原体を撃退できないときには、敗血症という細菌感染が全身に及ぶという恐ろしい状態になります。

今回の患者様のようにリンパ節が腫れている状態で医療機関に受診されると抗生剤が処方されることが多いのですが、これは細菌の繁殖を抑えて、細菌感染の拡大をくい止める目的からです。


2月からは花粉症のシーズンを迎えますので、薬局は繁忙期に突入します。
まだインフルエンザも流行していますので、体調に気をつけて乗り切っていきたいと思います。
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